僕が企業のSNS運営を行なった時の話まとめ

前回に引き続き、SNS運営系のお話をしたいと思います。
今度は僕が以前勤めていた会社で、企業アカウントにおいてSNSを運営した際の話をまとめています。




SNS運営の目的

まずは当然ながら、SNS経由で自社のECサイトに集客するのが第一段階の目的でした。もっと具体的に書くと、ユニークユーザーとページビューを増やすためですね。

第二段階として、広告経由の場合は商品購入が次の目的となりますが、SNS経由の場合はすぐに購入に至るかというと、なかなか難しいと思います。

そこで、運営の目的は商品購入を前提とするよりは、「自社ECサイト及び製品の認知をさせ、見込み顧客を増やす」ことに決めました。

KPIは、単純にTwitterのフォロワー数の増可、Facebookの「いいね」ボタンが押された数、ユニークユーザー・ページビュー数の増加に当初は定めています。

そしてキャラクターを考えた

正直もう何番煎じか分からないのですが、多くの企業がやっているように、まずはキャラクターを作り喋らせる方針にしました。

ただ、それまでは僕を含む社内のスタッフが、業務の合間に自社製品の営業ツイートをしていたのですが、いまいち印象も薄く興味を引くことに欠けていたのも事実。
状況打開のためのテコ入れも含めて、他社と同様の施策を試してみるといった理由もありました。

Twitterの企業キャラクターアカウント例
ローソンクルーあきこちゃん
スーモ
ソーシャルリクルーティングの世界:りくるちゃん

キャラクターのプロフィール設定

キャラクターのイラスト作成を行う前に、まずは「性格・好きな食べ物・出身地」といったプロフィールを決めていきました。

このプロフィールは、例えば「キャラの出身地は製品原料の原産地」といった様に、上手く製品にマッチさせていきました。こうする事で、キャラクターのプロフィール認知が、製品特徴の認知に繋がると考えたためです。
また、海外展開も行なっていたため、日本語・英語の二ヶ国語を話すことが可能といったステータスも加えました。SNSでも二ヶ国語で情報を発信するためです。

一昔前に流行った、ペルソナ設定に近い部分もありますね。

キャラクターのイラストを作成した

キャラクターのプロフィールが決まったら、それを踏まえてイラストを起こしていきました。担当したスタッフには何パターンかの案を作成してもらい、話し合いの上で決定していきました。ちなみにキャラクターデザインは、社内のスタッフが担当しています。

その際に、以下の点を注意しました。

多くの人に親しみやすいデザインにする

商品のターゲット層が幅広かったため、特定の層にうけるデザインに偏るのはあまり良くないと考え、抽象的な表現となりますが、多くの層に受け入れられるデザインにしました。

最終的にはAdobe Illustratorのデータにする

この理由は、Web上のSNSだけでなく、やがては紙媒体等への流用も想定したためです。ベクターデータにすることで、様々なサイズで使いまわすためですね。

イラストレーター(今回は担当した社内のスタッフ)の個性を、極力出さないようにする。

イラストレーターの方からすると、この点は疑問符が付くかもしれません。

理由は、社内スタッフがキャラクターデザインを担当したので、例えば担当者が退職してしまった後でも、引き継いだスタッフがデザインを同じテイストで作成出来るようにするためです。逆に当初担当したスタッフの個性が強すぎると、後々の運営で支障がでるかもしれません。

当然ながら、社外のイラストレーターの方に依頼する際は、また違った話になります。その場合は「このイラストレーターのテイストが自社のイメージに合うかどうか」といった理由で選定する場合が多いと思います。

余談ですが、社外のイラストレーターに発注した場合は、キャラクターの版権についてしっかりと契約を結びましょう。ここを抑えておかないと、後々に権利関連でトラブルになる可能性が出てきます。

このあたりは、『Webマーケッター瞳シーズン2・第4話』で触れられているので、読んでみると良いと思います。

各SNSの役割・方向性を決めた

次にどのSNSを使用するかですが、Twitter・Facebook・mixiの3つに加え、SNSではないですが、それまでは行なっていなかった楽天の店長ブログも、同じタイミングでスタートすることにしました。

また、同じ内容を全て共通で流すのもつまらなかったため、各SNSごとにテーマを決めて運営しました。

Twitter

最もシンプルでアクティブユーザーも多い点、こちらからフォローして仕掛けていける点から、Twitterを主軸にしました。
キャラクターがTwitter上で様々な情報や、時事関連のツイートをする感じですね。

Facebookページ

FacebookページはTwitterでは短すぎる内容や、写真を同時に見せたい記事を中心に掲載しました。

また、海外向けのFacebookページも作成し、こちらではキャラクターは使わずに自社の製品や原料の情報を時には日本文化の紹介を織り交ぜることで、外国人の方が興味を持って頂ける内容にしました。

mixiページ

当初は軽視しており運営する予定はなかったのですが、mixiページが検索エンジンにインデックスされる点に気づいたため、SEOに効果があると判断し使用することにしました。

mixiページでは主にスタッフの日々の日記を掲載し、気軽に読める内容にしています。

少し捻った点としては、ここでもキャラクターを登場させ、彼がスタッフの事を紹介するといった見せ方にしています。

楽天店長ブログ

楽天担当のスタッフに出ていただくと同時に、今回のキャラクターも合わせて登場する内容にしました。2人で製品情報などを会話して盛り上げていくイメージですね。

SNS運営時の注意点

「キャラクターが完成したし、アカウントも作った。さあSNSスタート…!」といきたいところですが、その前にもう1点、運営上の注意点をしっかりと決めました。

SNSレギュレーション…という程大げさなものではないですが、以下の内容を文書化することで、スタッフ間で共有しています。

一人称や語尾の台詞は統一

ここがブレるとキャラクターのイメージにも直結するため、自分のことを何と呼んでいるか(例えば「僕」なのか「僕」なのかはもちろん、「僕」や「ぼく」や「ボク」も統一)、語尾はどういった言い回しで締めるかという点を決めました。

これが確立されると、誰が文章を書いてもキャラクターの印象が大きくぶれることはありませんでした。

自社の商品に関する内容(営業的に内容)だけでなく、時事など人々の関心を引きやすい内容も織り交ぜる。

自社製品の情報はもちろん必要ですが、それだと営業色が強くなり、前述の「自社ECサイト及び製品の認知をさせ、見込み顧客を増やす」といった目的に対して逆効果になると思い、時事や人々の関心を引きやすい内容、このキャラクターは面白いなと感じてもらえる内容を織り交ぜました。

ただし、政治・宗教及び、特定の人物・団体への誹謗中傷にあたる内容は厳禁

これは、あえて説明するまでもないですね。企業が情報として発信する内容でもないと思います。

もう1つの目的:Twitterでサイレントクレームを汲み取る

SNS運営にあたり、もう1つの目的と定めた点があります。

それはTwitterを利用することで、サイレントクレーム(直接企業まで届いてこない、お客様側で止まってしまったクレーム)を汲み取ることができないかと思いました。具体的にはTwitterで定期的に社名や商品名で検索し、何か訴えっているお客様がいれば、こちらからダイレクトメッセージを送るといった、アクションを行うことにしました。

企業側に直接届くお客様の不平不満や要望は、ほんの一握りです。能動的にクレームを汲み取ることで、問題の解決・サービスの向上に繋げられないかと考えました。

結果

そして肝心の結果ですが、諸々の事情により短期間で運営が中止になってしまいました。

その間の状況ですが、Twitterのフォロワー数、Facebookの「いいね」数、ユニークユーザー、ページビュー、全てにおいて順調に伸びていました。また、楽天ブログに関してはお客様から感想が届くなど、売上に直結した部分もありました。(もう少し、続けて効果を見たかったというのが、正直なところです)

企業の個性を出し、方針を考えて情報を発信することが大事だという点は実感しました。

唯一全く効果が出なかったのは、海外に向けてのアプローチ。ここは全くノウハウが無いので、僕の今後の課題ですね。


この様に、最後が消化不良になってしまいましたが、運営の際に何かの参考にして頂けると幸いです。